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執筆者の写真村山順子

2022年11月17日 懐かしい味・・「みき」



おはようございます!

今朝も笑顔満開、お元気で朝をお迎えでしょうか。


鹿児島県奄美市で、懐かしい飲み物に出会いました。

「みき」という、お米、砂糖、さつまいもを発酵させた白い飲み物です。


「みき」・・沖永良部島では「ミショウ」と呼ばれていました。

その頃の「ミショウ」は一升瓶で作られていて、

誰かが持ってきてくれていたのか、いつも家にあり、

幼い頃から、夏の暑い時期によく飲んでいました。

少しトロッとしていて、甘みと、少しの酸味がある、子供にも最高の飲み物でした。


「ミショウ」は、大好きな祖父を思い出す飲み物でもあります。

医者をしていた祖父は、往診に行く時、

一緒に行きたいという私を、いつも連れて行ってくれていました。

3~4歳の私。

じっとしないで走り回る私の子守役で、看護師さんもいつも一緒に。


ですが、昭和26年8月16日、

その日の往診に、祖父は何故か私を連れて行ってはくれませんでした。

祖父にとって初孫の私。

目に入れても痛くない・・そんな可愛がり方だったそうですが。

その日、祖父はグルグル回る診察椅子に、着物の帯で私を縛って、

「順子の大好きなミショウを飲んで待っていてね」と。


祖父の乗った車は、その日若者が運転していたそうです。

往診帰りに車が脱輪し、祖父は外に投げ出され、その上に車が・・

担架に乗せられて虫の息で帰ってきた祖父の姿、

みんなが泣いている様子を、朧げながら記憶しています。


奄美空港で見つけた「みき」。

冷蔵の棚に並んでいた2本を購入。

すぐに売り切れる、人気の品だそうです。

私が飲んでいたものよりも砂糖の甘さが強かったのですが

(今思うと、当時のものは甘酒のような甘さでした)、

懐かしい「ミショウ」の味でした。


人間の記憶って、不思議ですね。

「みき」を見つけただけで、幼い頃にタイムスリップ!

あの時、いつものように一緒に往診に行きたいと泣く私を

大好きな「ミショウ」でなだめ、置いて行った祖父・・

人間には予知能力があるのでしょうか?

祖父がそうしてくれたお陰様で、今、私が生きています。


そんなことを思い出す、奄美空港での「みき」との出会いでした。


みなさんに、今日も嬉しいことがありますように!



村山順子

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